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らしさ、かがやく。坂井市
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更新日:2025年11月20日
市内事業者の人材不足や専門的知識不足等の経営課題解決を目的とした事業です。都市部の大企業等で活躍するプロフェッショナル人材を活用し、市内事業者の経営力強化を支援しています。
令和7年度開催のセミナーの様子はこちら(外部サイトへリンク)
プロフェッショナル人材マッチング支援事業に関する動画はこちら(外部サイトへリンク)
2年目となる令和7年度の事業では、各事業者が個別相談会でそれぞれの経営課題やテーマの整理に取り組み、プロ人材の力を活かして新たな挑戦を始めています。
本ページでは、参加事業者の紹介とともに、各社が取り組む「課題解決テーマ」を随時ご紹介していきます。
●令和7年度に取り組む事業者(順不同)
1.チャンスメーカー株式会社(R7年11月4日 更新)
2.三里浜特産農業協同組合(R7年11月21日 更新)
3.坪金商事株式会社(R7年11月4日 更新)
4.有限会社村田石材店(R7年10月15日更新)
5.株式会社ナカノ(R7年11月6日更新)
6.株式会社黒川クリーニング社(R7年11月4日更新)
7.有限会社ダイケイ(R7年10月15日更新)
8.有限会社サンビーフ齊藤(R7年11月4日更新)
1.チャンスメーカー株式会社

【事業内容】情報通信業、SPソリューション事業
【課題】戦略的広報・PR基盤の構築
ノベルティ業界大手ECサイト「販促花子」を運営するチャンスメーカー株式会社は、この5年間で売上が5倍以上に成長し、次の10年で1,000億円を目指しています。社員を大切にする文化により優秀な人材を採用できるようになりましたが、全国的な知名度は低くメディア露出もほとんどありません。これまで人事総務が広報を兼務していましたが、成長目標達成のため企業成長フェーズでの広報・ブランディング経験を持つプロの力を借り、戦略的広報の基盤構築に取り組みます。
〇決定した課題に取り組むプロ人材 黒崎 淳友 さん
「昨今SNSやAIなどツールの進化により大量の情報が氾濫しており、発信や露出の機会に格差が起きています。私の専門分野であるPRはPublic Relationsの略であり、一方通行の発信ではなく、社会から共感を得るためにいかにステークホルダーと継続的に対話を行っていけるか、が勝負です。「印刷」「販促」そのものを再定義し、社会のお困りごとを解決する社会的企業へ変革していくチャンスメーカー株式会社様のPR伴走が、とても楽しみです!」
▼現地でキックオフミーティングを実施

2.三里浜特産農業協同組合

【事業内容】特産農業協同組合
【課題】「三年子らっきょ」の新規販路開拓・拡大
三里浜特産農業協同組合は、足かけ3年かけて育てる「三年子らっきょ」を特産品とする農協です。生産者の高齢化により収穫量が減少し、2023年には小売店への流通が一時ストップする危機に陥りました。通常の2.5倍の期間と手間をかけているため価格が1.5〜2倍と高く、量販店では価格が見合いません。新規生産者を増やすためにも付加価値のある高価格帯での販路開拓が急務となっています。
〇決定した課題に取り組むプロ人材 深沢 光 さん
「三年子花らっきょの魅力を全国へ広げるため、5ヶ月間のマーケティング支援に取り組みます。生態系で植物を支える“菌根菌”や花を実らせる“ミツバチ”のように、地域資源をつなぎ、成長を後押しする役割を担います。豊かな土壌から芽吹いたこの特産品が、未来の食卓を彩る要石となるよう、全力で伴走してまいります。」
▼現地でキックオフミーティングを実施

3.坪金商事株式会社
【事業内容】織物製品の製造、販売
【課題】EC売上拡大のマーケティング戦略立案・実行支援
坪金商事は1923年創業の、サテン生地やオーガンジー生地などの高級素材を得意とする織物製造業です。2008年からネットショップを開始し多様な顧客とつながりを築いていますが、マーケティングやEC運営の知見が乏しく、「良い商品があるのにうまく伝えられない」もどかしさを感じています。そこで1年後に問い合わせ数10倍を目指し、プロの力を借りてBtoC領域強化に取り組みます。
〇決定した課題に取り組むプロ人材 眞田 隆史さん
「創業100年以上の織物メーカーによるB to C本格参入という老舗企業のブランド資産を活かした新チャレンジというストーリー性に、とても共感しています。サテンやオーガンジーの『高級感』『透明感』『軽やかさ』は本当に素晴らしく、商品展開に大きな可能性があると思います。ECとSNS連携によるInstagramでのビジュアル訴求も期待できそうです。ハンドメイド、ラッピング、DIY市場との親和性を活かして、ターゲット層との接点拡大に向けて全力で取り組んでまいります。」
▼現地でキックオフミーティングを実施

4.有限会社村田石材店

【事業内容】石材加工・販売
【課題】ビジネスモデル変革の戦略立案から実行支援
創業100年を超える村田石材店は、少子化や墓じまいの増加、供養方法の多様化など市場変化への対応が急務です。これまで地域行事を通じた紹介のみで、営業活動をしたことがなく、マーケティングや事業戦略の経験・知見がないため、家族だけでは答えが出せずにいます。後継者も育ち、次の100年に向けて動き出す今、縮小市場でのビジネスモデル変革経験を持つプロの客観的視点と専門性により、現状把握から戦略立案・実行まで伴走支援いただける方を求めています。
5.株式会社ナカノ

【事業内容】精肉・飲食業
【課題】新ブランド和牛肉の販路開拓・拡大
1938年創業の精肉店ナカノは、自然由来の乳酸菌を活用し抗生物質に頼らない新和牛ブランド「ふくい和牛ふくふく」を立ち上げ、9月に初出荷しました。販路開拓が急務ですが、これまで精肉店・飲食店として営んできた当社には卸のノウハウがなく、ブランドの伝え方も社内だけでは限界があります。志を同じくする販売店・飲食店と繋がり販路を拡大していくため、食品ブランディングと販路開拓に精通したプロと共に進めていきます。
〇決定した課題に取り組むプロ人材 松島 里江さん
「『ふくふく』開発に携わった皆様の安心・安全で美味しい牛肉を届けたいという情熱と想いに深く感銘を受けました。福井の恵まれた自然と生産者の情熱が生んだ「ふくふく」の魅力とその価値を、理解し共感してくださる販売店・飲食店へしっかり橋渡しし、ブランドの確立と販路拡大に貢献できるよう、これまでの経験と知識を最大限に活かして尽力いたします。また「ふくふく」を国内外へ発信していくことを通して、福井地域の発展にも微力ながら貢献出来るよう、これから皆様と共に力を合わせ、本プロジェクトに全力で取り組んでまいります。」
▼現地キックオフミーティングを実施、「ふくふく」お披露目会にて

6.株式会社黒川クリーニング社

【事業内容】クリーニング業
【課題】POSデータ分析を活用した販促戦略の立案・実行支援
1952年創業の黒川クリーニング社は、福井・石川で顧客からの信頼獲得を第一に堅実な経営を続けています。販促施策が割引中心に偏り、アイデアが枯渇しています。昨年投資したPOSシステムも、データ分析の知見がなく活用できず、社内だけでは限界を感じています。POSデータ分析から具体的なアクションプランへ落とし込み、販促活動をゼロベースで見直すため、プロの力を借りてチャレンジします。
〇決定した課題に取り組むプロ人材 田中央樹さん
「今回、黒川クリーニング社を訪問し、店舗に流れる人の動きや言葉の温度から大きな学びを得ました。生活の変化に応え、新カテゴリーを段階的に検討し、まずはPRで新しい接点を生み、プロモーションで信頼を丁寧に積み上げます。『販促=信頼を積み重ねる行動』を軸に、現場の気づきを一つずつ形にしていきます。」
▼現地でキックオフミーティングを実施(店舗視察)

7.有限会社ダイケイ

【事業内容】介護事業
【課題】介護保険に依存しない新たな収益事業の創出支援
有限会社ダイケイは、福井県坂井市の限界集落で認知症の方を対象とした介護事業を営み、地域コミュニティの再生に取り組んでいます。しかし、収益の大半を介護保険に依存しており、制度改定のたびに影響を受け、利用者が増えても収益が減少する状況です。新たな収益の柱が急務ですが、何を事業化すべきか、社内に事業創出の経験・知見がなく答えが出せずにいます。現状分析や強みの発掘から始め、新規事業を構想し実行していくため、事業創出の専門家と社内プロジェクトを組んで推進します。
8.有限会社サンビーフ齊藤

【事業内容】畜産業(肉牛生産、卸販売)
【課題】若狭牛とオリジナル新ブランド和牛の販路開拓・拡大
有限会社サン・ビーフ齊藤は、創業以来こだわりの肥育で若狭牛を生産し、その品質と美味しさを追求してきました。5年前から地域資源を活かした放牧や地元飼料の活用に取り組んできた「オリジナル新ブランド和牛」が形となり、令和7年11月に初出荷を予定しています。このブランドへの転換期の初期段階にあり、ブランディングと販路の拡大・開拓が急務ですが、生産現場との両立による時間的制約が大きな課題です。そこで、豊富な経験を持つ販売のプロの支援を得て共にチャレンジする決意をしました。
5月28日に令和6年度事業報告会および令和7年度参画事業者募集を目的としたセミナーを開催しました。市内事業者、周辺自治体職員や商工団体の経営指導員などプロ人材の活用に関心を寄せる方々に多くご参加いただきました。
●市長挨拶
池田禎孝市長は冒頭で「市内の事業者にとって人材不足は最大の課題となっている。プロ人材がもつ専門的なノウハウやアドバイスを各社の事業課題の解決策にぜひとも活用していただきたい。本事業は2年目を迎え、業務改善や販路拡大などのテーマに取り組み、売上向上や労働時間の削減など具体的な成果を挙げている事例をぜひ参考にしていただきたい」と述べ、本事業への積極的な参加を呼びかけました。

●導入経緯と今後の展望
坂井市商工労政課の戸田課長が、本事業の導入経緯と今後の展望を説明しました。この取り組みの本質は人材不足対策にとどまらず、首都圏や大手企業で活躍する外部人材のノウハウを坂井市の事業者が直接活用できる新しい課題解決支援であると説明しました。
続いて委託事業者・株式会社カルビンの執行役員伊田拓浪氏が、プロ人材活用の最新動向や同社の支援内容を解説し、これまでの支援実績の中から、プロ人材の関与がもたらした成功事例を参加者に共有しました。
●実践企業3社が成果と体験談を共有
プロ人材の活用により、見積作成の大幅な時間短縮、新たな営業手法の確立、新製品の3Dデザイン画を用いた商談の円滑化など、令和6年度事業で成果を挙げた代表3社の代表者を迎え、パネルディスカッションを開催しました。事業への参加のきっかけや、当初の期待や不安、プロ人材活用のメリットなど、実践者ならではの具体的で貴重な経験が共有されました。
【登壇事業者】
長谷川造園株式会社 長谷川晃大 代表取締役 (テーマ:業務改善 DX)
有限会社後藤塗装 後藤寿和 専務取締役 (テーマ:販路拡大)
大喜株式会社 山本優子 専務取締役、山本崚太氏 (テーマ:新製品開発)

左より、長谷川晃大氏、後藤寿和氏、山本優子氏、山本崚太氏
主な成果事例
長谷川造園では、AIを活用した見積作成システムの開発に取り組み、顧客への概算見積提示が数日かかっていたものが即時対応可能となり、業務効率が大幅に向上しました。これにより、従来1週間以上かかっていた顧客対応が即日対応となり、収益の向上が期待できます。
後藤塗装では、BtoB事業への販路拡大の取り組みとして、アンケートやチラシ作成、勉強会の実施などに挑戦しました。特に閑散期である冬場の事業展開についてもアドバイスを受け、今後の成長に手応えを感じています。
大喜では、緯糸に特殊な光ファイバーを織り込んだ、発光ジャカード織物「Light Weave」の新製品開拓等に取り組みました。営業活動においても、プロ人材が制作した3Dシミュレーションによって製品イメージが可視化され、顧客との具体的な商談につながるなど、プロ人材のノウハウが新たなビジネス展開を後押ししています。
登壇者は「高い専門性を持つ都市部の人材を、中小企業が低コストで活用できるのは非常に大きな魅力」「経営者にこの活用方法を広めていきたい」と、坂井市内の事業者へのメッセージを寄せていました。
業種や取り組みテーマは異なるものの、登壇者全員がプロ人材活用を新たな経営手法として高く評価し、企業規模に関係なく市内事業者にこの経営手法の普及を図りたいとの意欲を示しました。

●質疑応答と参加者の反響
質疑応答では、自社の事業ではどうやったらプロ人材が活用できるのか、どのような課題解決ができるのか、経営・事業課題は何から取り組めばいいのかなど、実際に取り組む際の具体的な質問もありました。自社の課題解決にプロ人材活用を有効だと感じた参加者が多く、新しい経営手法に関心を寄せる声が集まりました。
●令和7年度支援事業者募集について
令和7年度もプロ人材活用に意欲的な事業者を選定し、プロ人材と一緒に自社の課題解決に取り組んでいただきます。市の委託事業者である株式会社カルビンが経営課題の抽出から求人情報の作成、面接・契約締結のサポート等、事業者に伴走しながら支援します。
支援希望事業者を随時募集しています。※予算額に達し次第終了
興味がある事業者の方は、下記「お問い合わせ先」までご連絡ください。
委託先情報
株式会社カルビン
代表取締役 東 慶親
東京都港区南麻布3年20月1日 Daiwa麻布テラス5階
プロ人材、副業プロ人材とは
プロ人材(プロフェッショナル人材)とは、販路拡大、広報PR、業務改善、人事・採用など多岐にわたる分野でそれぞれの高度な専門知識や豊富な実務経験・ノウハウを持った専門家です。各分野の第一線で活躍しながら、その専門性を活かして様々な企業やプロジェクトに最適な高度な価値提供をします。
近年、リモートワークの浸透とキャリア観の変化により、企業に所属しながら他社でも活動する副業プロ人材や、フリーランスや個人事業主として複数の企業と関わるプロ人材が増加しています。多様な経験を積み重ねてスキルの幅を広げながら、関わる企業の課題解決や業務推進に貢献しています。人材不足に悩む地域の事業者にとって、都市部の副業プロ人材活用は新たな経営手法として全国で注目されています。専門人材を必要な時に必要なだけ活用できる柔軟性に加え、社員雇用と比較してコストを抑えられる経済合理性も高く評価されています。
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